不動産投資の計算式
不動産投資の特徴
なんといっても不動産投資の特徴は、頭金を除き借入金にレバレッジを効かせることができることです。
長期運用しながらインフレに対してヘッジします。
そしてなによりも実物資産への投資で安定的需要に支えられています。
不動産投資物件を選定するポイントとは?
- 収益性
- 安全性
- 流動性
投資環境のチェックポイントは?
- 不動産価格
- 金利
- 税制
一般的な投資利回り(単年度のインカムゲインを示すもの)
01. 粗利回り
年間総収入 / 総投資額
「グロス利回り」「単純利回り」とも呼ばれます。
計算が簡単でわかりやすのですが、諸経費を無視しているので正確さは欠きます。
02. NOI利回り
営業収入(賃貸収入)から営業費用(減価償却費を除く)を差し引いたものを正味営業利益(NOI:net operating income)と言います。
03. 総合収益率
賃貸による利回りを表す「インカム収益率」に値上がりによる利回りを表す「キャピタル収益率」を加えたものをいいます。
投資期間にわたる投資分析法
前述したものは、単年度の投資の効率を示したものです。
不動産事業は、投資の時期と収益の時期が異なります。
そのうえ、収入や支出も変動します。
そのため、投資期間全体におけるキャッシュフロー(収支)に基づくう分析手法が必要になります。
その分析手法が、「DCF(discounted cash flow)」です。
DCFには、一般的には正味現在価値法(NPV法 net present value mathod)と内部収益率法(IRR法 internal rate of return method)が用いられます。
その他の指標として、
- DSCR(Debt Service Coverage Ratio:借入金償還余裕率)
- WACC(Weight Average Cost of Capital)
賃貸オフィスビルの収支構造
【総収益】 = GI(Gross Income)・・・①
- 賃料収入(オフィス賃料)
- 駐車場収入(駐車場賃料)
- 共益費(テナント負担の共用部費用)
- 水道光熱費・冷暖房費収入(テナント負担の専用部負担)
- その他(看板の利用収入、自動販売機使用料)
【総費用】・・・②
- 維持管理費(設備管理費、掃除費等)
- 修繕費(日常的な補修費用等)
- 水道光熱費
- 公租公課(都市計画税・固定資産税)
- 損害保険料(建物・設備の損害保険料)
営業純収益=NOI(Net Operating Income) ③(①-②)
減価償却費(Depreciation) ④
賃貸事業損益 ⑤(③-④-仲介手数料)
資本的支出 (CAPEX Capital Expenditure)
仲介手数料 →⑥
原状回復費用(貸主負担)
純キャッシュフロー=NCF(Net Cash Flow) (③-⑥)
中古物件投資
中古物件投資では、物件により残存使用可能年数が異なります。
中古物件投資ではローン期間=残存使用可能年数であってはならないから、少なくとも残存使用可能年数の2分の1で投資回収ができなければなりません。
残存使用可能年数とは法定耐用年数の残存期間の考え方ではなく、実際に後どのくらい運用が可能か客観的に自分自身から見て直感する年数でかまいません。
投資回収 = 残存使用可能年数÷2
カンタンに中古利回りを判定し大まかな絞込みを行います。
投資回収 = 残存使用可能年数÷2 =【①】年
適正中古利回り = 1÷【①】年 =【②】%
年想定家賃【③】円÷【②】% = ○○○万円
上記の式によって、一般的な指標である表面利回りを導き出し、さらに年想定家賃から適正投資額を導き出せます。
○○○万円が実際の売値より安ければその物件は割安、逆に高ければ投資不適格となります。
法定耐用年数
木造 | 22年 |
---|---|
鉄骨造(S造) | 34年 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 47年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 47年 |
不動産投資の注意点
不動産投資にリスクはつきものです。
だからこそ、リスクをどれだけヘッジでき管理できるかが重要です。
ヘッジしつつ、収益を上げましょう。