土地家屋調査士行政書士 村上事務所
不動産投資

立地選びの4つのポイント

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不動産投資と一言で言っても、様々な種類があります。
ビル(商業ビル)1棟、マンションの一室、土地の賃貸(いわゆる土地貸し)、最近では、シェアハウスやコインパーキングなど不動産投資の対象は多様化しています。
不動産投資の対象は、何種類かありますが、絶対に外せない、押さえておきたいポイントは一つだけです。

それは、『立地』です。
不動産投資は、『立地』が全てです。

立地(流動性・安全性)選びを間違わなければ、必然的に十分な利回り(収益性)も確保でき、もうこれで不動産投資は成功したようなものです。

これはもう大原則で、どんな不動産投資にも当てはまります。
立地で不動産投資が成功するかどうか決まると言っても過言ではありません。

立地選びの4つのポイント

1 エリアを絞る

まず、どのエリアの物件に投資するのかを決めます。
自分で住んでいたり、働いていたりしている目の届く範囲の地域に投資するのか?
それとも遠隔地の物件に投資するのか?

どちらを選んでもいいのですが、その地域ことが「よくわかっている」ことが絶対の条件となります。

「よくわかっている」というのが抽象的でわかりにくいのですが、まずは「地位」(じぐらい)というものがわかるようになることです。
地位とは、文字どおりその不動産の「位」のことです。

不動産業界で口にされている言葉です。
感覚的でわかりにくいのですが、不動産の総合的な価値のようなもので、そのエリアでのランク付けされるようなものです。

「A町よりB町の方が地位が高い」というように、投資するエリアの5つくらいはランク付けできるとベストです。
地位がわかると、間違った投資判断をしないで済みます。
わからないものには投資しないことが賢明です。

目の届く範囲は、その地域のことが良くわかっている場合が多いでしょうし、物件を購入し運用管理が開始され、なにかトラブルがあったときにすぐに駆けつけることができるというのは、メリットが大きいです。

遠隔地の場合は、そういったメリットはありませんが、それを上回るメリット(高い賃料、低い空室率、将来の大学・駅・商業施設など建設予定があり確実に人口増が見込める外的な要因など)があれば問題ありません。
どちらにしても「地位」がわかるエリアに投資することです。

2 人口動向を調べる

次に注意すべき点は、人口動向です。
経済予測もできたらそれに越したことはないですが、そこまでは必要ありません。
人口動向をおさえておけばほぼ経済予測もおさえることが可能だからです。

まずは、検討している地域は人口が減少していっていないかを調べてみましょう。

これは簡単にネットで調べることができますね。
「(投資を検討しているエリア) 人口推移」などの検索ワードを入れれば、各自治体で過去の人口数も含めて公表しています。
そこを拾い出してみましょう。

そこでは、人口の増減を確認します。
それで、今後人口が増えていく地域なのか、減っていく地域なのかがわかります。

地域全体は、人口減少の流れであっても区や町レベルでは人口が増加している場合があります。
そこが狙い目です。
人口動向を見るときは、できる限りミクロの視点を持ちましょう。

ところで、空き家問題が騒がれている中でこれだけアパートが新築されているのはどうしてか不思議に思いませんか?

空家が増えているという現象が問題になっている背景がある一方で、住宅、アパートは相変わらず新築され続ける事実。

これは日本人の新築志向が強いことが原因でしょう。
古くなった建物を手入れして、長く住もうとういう発想がそもそもないのです。

そのことを考えると、よく見かける「郊外 築浅アパート 高利回り」の物件は、古くなったりしたら周辺に建ち続ける新築アパートに競争力を失うことに
なるのであっという間に利回りは悪くなることがわかります。
さらに郊外ということで人口減少が進んでいくのであれば、利回りが悪くなっていくことになりますね。
借り上げ保証などもありますが、これもまた色々と問題の多い制度なので考慮しないのが賢明です。

「人口減少エリアの高利回りの郊外アパート」よりも、「人口増加の適正な利回りの都心部の物件」の方が空室率も低く、出口戦略も立てやすいので、結果、安定した運用を行うことができるようになります。

人口が増加している都心部であれば、何かあった時、なんとか対応できるものです。
リノベーションで方向転換をしたり、建物を取り壊して更地にして売却してもいいですし。

人口が増加している都心部であれば、建物を取り壊す費用も考慮した上で、土地を売却しても儲けが出る可能性が高いですね。
人口が増加しているということは、土地の価格も上昇(少なくとも下降はしていない)と考えることができるからです。

『更地売却をしても元が取れる(あるいは儲けを出すことができる)』
というのが最高の出口戦略となります。

最悪の状況が起きた(何かの天変地異が起きて建物がなくなった)としても土地の価値だけは残るのです。
よって狙い目は、「人口減少エリアの高利回りの郊外アパート」よりも「人口増加の適正な利回りの都心部の物件」です。

高利回りという言葉に踊らされてはいけません。
人口が減少しているのか増加しているのかを投資判断基準としましょう。

そうなるとおのずと投資エリアは、都心部ということになりますね。

国の政策として「コンパクトシティ」という構想もあります。
コンパクトシティとはこれからは買い物する場所も働く場所も住む場所も中心部にコンパクトに構成されたまちづくりをしていきましょう、そこにインフラ(各行政機関、病院、学校、交通機関)を整備するお金をつぎ込みましょう、とするものです。
人が点在して生活するのは効率が悪いものです。
今後、人の流れは中心部へと動いていくことでしょう。
これからは、都市部の物件でないと不動産投資は成功しないでしょう。

3 インターネットで相場観等を知る

ここまでエリアを絞った段階で、次は、投資対象エリアの特性・相場観をインターネットで調べてみます。
「(投資を検討しているエリア) 不動産」や「(投資を検討しているエリア) 投資物件」などで検索してみましょう。

特性・相場観を調べる時のポイント
・どんな不動産屋さんが多いのか、そしてどこの不動産屋さんがその地域で「強そう」なのか。
・どんなタイプ(マンション・アパート・戸建)の売り物件が多いのか。
・売買価格はどのくらいの価格帯なのか、相場観を確認

注意してほしいのは、インターネットだけで物件の情報収集をしようといっているわけではないということです。
あくまでも、特性、相場観をつかむことが目的です。
次のステップである「その投資エリアに強い不動産会社」を探すためでもあります。

インターネットは、ツールとして最強なだけにインターネットだけで情報を収集すればいいのではないか。
そのほうが面倒臭くないし。
そう考えるのも無理はありません。

確かにインターネットにはたくさんの物件情報があります。
それを家の中にいながら情報収集できるなんて、確かに便利です。

グーグルを使えば、画像も見ることができて、もうもはやわざわざ外に出る必要はないのではないかと思うくらいです。

誰もが見ることができるインターネット。
果たしてそこにおいしい物件情報があるのでしょうか?
おいしい物件がインターネットに載ることは皆無と言ってもいいでしょう。

考えてみてください。
あなたがインターネットを見て、とてもおいしい物件情報を知った時に、売主のところへ直接行って、「売らせてほしい」とお願いをしに行こうと思いませんか?
仲介手数料を省くこともできますし、場合によってはより良い条件で交渉できるかもしれません。

こういうことは、不動産業界の中では日常的に行われています。
だから、おいしい物件情報は、インターネットには載せないのです。

おいしい物件情報は、風上にしかありません。
風上に立つためには、地味に足で稼ぐしかありません。

インターネットでは、相場観の情報収集にとどめ、物件の情報収集は、次のステップである「その投資エリアに強い不動産会社」を見つけて行います。

4 その投資エリアに強い不動産会社を見つけ情報収集する。

その投資エリアに強い不動産会社とは

「その投資エリアに強い不動産会社」というのは要するにそのエリア(地域)のことをよく知っている人です。

不動産会社でなければいけないわけではありません。
不動産会社だけでなく、ゼネコン、設計会社、会計事務所も不動産の情報を多く持っています。

不動産コンサルティング、不動産投資アドバイザー、競売ビジネスなど専門に扱っている会社にも不動産の情報がありますね。

中でも「不動産ブローカー」として不動産を動かしている人たちもいます。
不動産ブローカーとは、免許がある会社に所属せず、無免許で仕事している人のことです。

競売や任売を得意とする事件屋も不動産ブローカーの部類に入るでしょう。
実はこの人たちが高額でいわゆるおいしい物件を動かしていることが多いです。
ただし、そんなに不動産を扱った経験がない人には、不動産ブローカーと交渉することはお勧めしません。

カモにされる可能性が高いからです。
不動産トレードは、誰がババを引くのかを競うババ抜きみたいなところもあるので・・・

そうはいっても、ここ(不動産ブローカー)に情報が集まっているのは事実なので、不動産ブローカーと信頼関係が築けたらしめたものです。
大きく儲けたいなら、ここを目指すべきでしょう。

インターネットで調べたことを元にして、戦略を立て、「飛び込み」を行いましょう。
まだそんなに不動産を扱った経験がないという人は、まずは、街の不動産屋さん、大手不動産仲介会社などでの接触を試みましょう。

不動産会社には、銀行グループ系列、ゼネコン系列、住宅メーカー系列、私鉄系列、フランチャイズ加盟店など色々なタイプがあります。

それぞれに特色があり特徴があります。
特定の地域で営業している会社は、その地域の情報をたくさん持っています。
全国展開しているならば、その全国のネットワークによる情報をたくさん持っています。

これらの不動産を扱っているところと接触しているうちに自然と特色・特徴はわかってきます。

最終的には、「相性」です。
さらに言えば、会社レベルというより担当者との相性が重要です。
信頼できる不動産会社であることが大前提ですが。

不動産会社に情報収集を行うポイント

情報収集を行う際には、あなたが狙っている投資物件の条件を整理しておきましょう。

・投資の対象(土地、アパート、マンション・・・)
・投資対象エリア
・物件価格帯
・希望利回り
などです。

他にもあなたがこだわっている条件があるでしょうから、その項目を抜き出しておきましょう。

プリントアウトして何枚か持参しておき、脈がありそうな不動産会社にはその紙を手渡してくると効果覿面です。
あなたの連絡先を記載しておくことを忘れずに。

不動産の情報を持っている人は、結局、相性のいい人にしか情報を流しません。
人間誰でも好き嫌いがあるように、嫌いな人に「おいしい情報」は流さないのです。

また、売り抜けたい物件などは、好きでもない人には、「買う」ように勧めてくるでしょう。
いいことしか言わず、何とか売ってしまいたい心理が働くのです。

このことから、より「おいしい情報」にたどり着くためには、まずは焦らずに不動産会社の担当者との関係構築に神経を注ぐべきということがわかりますね。

不動産会社は必要か?

自分の物件を自分で見つけることが一番いいですね。
不動産屋さんとかが中に入って、取引が成立すると成約金額の3%の仲介料も持っていかれますしね。(先ほどの不動産ブローカーに関してはこの限りではありません)

不動産取引は、高額なお金が動き、権利関係の調整、建築制限などの法律、不動産特有の税金など様々な知識を必要とします。
不動産屋さんは、売り手(または買い手)を見つけるだけでなく、不動産取引全体をサポートしてくれる役割も担ってくれます。
不動産を扱った経験がないという人にとっては、頼もしい存在でもあります。

まとめ

1 エリアを絞る

(1)地位がわかる地域を選択する
(2)地方よりも都心部を選ぶ

2 人口動向を調べる

(1)「(投資を検討しているエリア) 人口推移」でインターネット検索する
(2)投資を検討しているエリアは人口が増加しているエリアかどうか確認する

3 インターネットで相場観等を知る

(1)人口が増加しているエリアであることが確認できたら、「(投資を検討しているエリア) 不動産or投資物件」でインターネット検索する

(2)検索結果から、その価格帯などの相場観、そのエリアで精力的に営業している業者(不動産会社など)を確認する

(3)その中から自分に相性があいそうな業者(不動産会社)をピックアップする

4 その投資エリアに強い不動産会社を見つけ情報収集する。

(1)これまでステップを踏まえ、投資条件を整理する。
 ・投資の対象(土地、アパート、マンション・・・)
 ・投資対象エリア
 ・物件価格帯
 ・希望利回り など

(2)ピックアップした業者(不動産会社)から情報収集を行う。

(3)投資条件を満たした物件を選び、投資を実行する。

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電話番号
096−200−9695

ファックス番号
096−200−9752

創業
2004年6月

保有資格
行政書士
宅地建物取引主任士
土地家屋調査士
ビル経営管理士
不動産コンサルティングマスター
マンション管理業務主任者
賃貸不動産経営管理士
2級土木施工管理技士
測量士
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