物件収集方法
不動産投資をしようと考えたとき、まずは物件を収集しなければなりませんね。
実際の物件に触れながらああでもないこうでもないとあなたの投資判断を固めていけば良いのではないでしょうか。
ただし、最低限のことは決めておきましょう。
- エリア
- どのような物件か?
- 利回りは?
- 総額は?
全ての物件を全て検討するには膨大な時間を必要とします。
だいたいこの位のイメージを持っておかないとですね。
どのエリアを狙うのか?
不動産投資において最大にして最優先すべきこと。
それが立地です。
少なくとも私は、この立地を最優先事項としています。
需要と供給のバランスがとれていて(あるいは需要のほうが多く)、将来的に人が集まってくるところ、建物を取り壊して土地だけでも売ることができて、あるいはなにか他の用途(商業ビルや店舗など)にも場合によっては変更可能、なんていう立地です。
良く知っている場所、自分の住んでいる場所、あるいは住んでいた場所に投資するほうが良い、という意見もありますが、それもこれもそこが将来にわたって需要と供給のバランスがとれているかによります。
もちろん土地勘があったことに超した事はありません。
逆に全く知らない立地に投資してはいけません。
では、どうすればいいかというと・・・
信頼できる専門家に聞く。
これに限ります。
ここが不動産投資成功の鍵となるのです。
投資物件対象
アパート・マンションの1棟なのか?
マンションの1部屋なのか?
それともリート(不動産投資信託)?
それぞれに、メリットデメリットがあります。
あなたの投資方針を固めておきましょう。
総額が同じ、利回りも同じの次のような物件があったとき
新築木造アパート
築25年のRCのマンション
どちらを選ぶか?
このくらいまで投資方針を決めておくとよいでしょう。
今の住居あるいは職場の近くに投資するのか、それとも遠隔地に投資するのか、は悩むところではあります。
不動産投資に慣れていない人であれば近くに投資することをお勧めします。
遠隔地で投資したときに、何かトラブルがあったときにすぐに行くことができないというデメリットがとても大きいです。
現地でコミュニケーションの取れたパートナー(不動産業者など)との関係を構築するなど、遠隔地で投資するときは準備することが必要になってきます。
都市部か地方か
それぞれにメリット、デメリットがあります。
都市部
メリット | 空室率が低い・担保価値が高い |
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デメリット | 価格が高い、変動が激しい・利回りが低い |
地方
メリット | 価格が低い・利回りが高い |
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デメリット | 空室率が上昇傾向 担保価値が低い |
見ていただけるとわかるように、都市部と地方のメリット、デメリットは、お互い裏表の関係です。
十分この違いを理解して投資エリアを決めていく必要があります。
投資エリアの分析方法として、まずはデータを集めるという方法もあります。
- 人口動態
- 人口将来動向
- 賃貸住宅空室率
- 年齢構成
- 世帯数
- 住居形態
- 住宅着工戸数
- 持ち家比率
これらは、インターネットでも調べることができます。
図書館等のデータベースを保管しているところでも、これらの情報を手に入れることができます。
そのほとんどが無料です。
使わない手はありませんね。
現地でのヒアリング
データよりも実際ものをいうのが現地での「生」の声です。
不動産というものは、他の金融商品と比べて、非常に泥臭い部分があります。
今でこそそういった部分は少なくなりましたが、まだ残っているのは事実。
最重要ポイントであることは変わりありません。
やはり、そのエリアに強い不動産会社が多くの情報を持っています。
近隣の住民または大家さんに話を聞くという方法もあります。
インターネットの情報量は膨大であることは間違いありませんが、具体的で優良な物件情報は、
現地にしかありません。
地道に不動産会社を回ることが、遠回りのようでも不動産投資で成功するための近道なのです。
さっそく、現地に行ってみましょう!
希望物件などを掲載した不動産投資用の名刺やリーフレットを持っていくと、不動産会社周りがスムーズですよ。
不動産会社で確認すべきことは、
- いつから売りに出ているのか
- 他に買付は入っているのか
- そもそもなぜ売却するのか?
です。
この最後の「そもそもなぜ売却するのか?」が一番重要です。
良い物件であればあるほど疑ってかかることです。
「なぜ、こんなに良い物件があるのだろうか?」と。
不動産投資は、百戦錬磨の「お金儲けのプロ」がウヨウヨいる世界。
あなたがどんなにプロでも、上には上がいると考えておいたほうが良いでしょう。
相場の調査方法
投資エリアを選定したら、次は現在の周辺の賃料がどのくらいなのかを調べておく必要があります。
この価格の目線を押さえておくことで、物件を選ぶときに割安感があるのか、すでに割高になっているのかの感覚をつかむことができます。
方法としては、
- 不動産会社をまわる
- 不動産のチラシを集める
- ネットで調べる
- 金融機関、弁護士、税理士などに聞いてみる
などがあります。
土地の周辺相場を調べるときも基本的には同じです。
ちなみに土地の価格で「基準地価」(都道府県が地価を判定したもの)や「公示価格」(国土交通省が地価を判定するもの)がありますが、これらは情報が古すぎるため、その価格に頼り切ってはいけません。
あまり実勢を反映していないとも言えます。
参考データとして持っておきましょう。
土地の周辺相場を調べる場合も、現地で不動産会社をまわるなどの地道な調査が最も重要なのです。
不動産会社と仲良くなろう
不動産の情報は、なんといっても不動産会社が持っています。
地元に強い不動産会社がベストです。
元付と客付がありますが、元付の方が情報が入りやすいです。
元付は売主が直接売却を依頼した不動産業者のこと。
客付は、元付の不動産業者が売却を依頼した不動産業者です。
売主 → 元付 → 客付
と、いうような流れになります。
売主と直接やり取りができるという点で、元付の方が情報を持っているというわけです。価格交渉もしやすいということもいうまでもありませんね。
不動産投資は情報がすべて。といっても過言ではありません。
それはそうですよね。その情報がメシのタネな訳ですから。
誰でもかれでもおいそれと有益な情報は教えることはないでしょう。
有益であればあるほどその傾向は強くなります。
信頼関係を構築することが何よりも重要になってきます。
人柄はどうか、誠実かどうか、トラブルを起こしそうか?
そしてなにより「自分とあうかどうか」を不動産会社の担当者は見ているのです。
最終的には好きな人に情報を出すことになります。
本当においしい話は、「人」から「人」へと流れていくものなのです。
不動産会社に伝えておきたい情報
- 地域
- 価格レンジ
- 建物の物件規模
- 種類(1戸建て?分譲?アパート?)
- 用途
- 構造(S造?RC造?SRC造?)
- 築年数
自分の資金力を明確に伝えておくことが重要です。
身元も明らかにしておきましょう。
どこの馬の骨かわからない人においしい話は舞い込んで来ません。
一戸建てかマンションか?
一戸建て
メリット | 土地上昇のチャンスがある・固定資産税が安い |
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デメリット | 空室リスクがある・維持コストがかかる |
マンション
メリット | 管理が楽・少額での投資が可能・換金性が良い |
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デメリット | ランニングコストが高い・担保力が弱い・空室リスクが高い |
一棟か区分所有か?
一棟
メリット | 空室リスクの分散可能・資産を増やしやすい |
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デメリット | 修繕費の負担が重い・換金性が悪い・購入価格が高い |
区分所有
メリット | 数戸所有することで天災リスクを分散できる・分散投資が可能・購入価格が安い |
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デメリット | 資産が増えにくい・建て替えが自由にならない |
ワンルームかファミリーか?
ワンルーム
メリット | 家賃の下落リスクが低い・安い・投資効率が良い |
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デメリット | 供給が多い・回転が速い |
ファミリー
メリット | 長い入居期間・間取り変更可能 |
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デメリット | 単価が低い・維持コストがかかる |
近所か遠隔地か?
近所
メリット | 土地勘がある・トラブルにすぐに対応できる |
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デメリット | 投資検討案件の範囲が狭まる・天災リスクを分散できない |
遠隔地
メリット | 投資検討案件の範囲が広がる・天災リスクを分散できる |
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デメリット | 土地勘がない→空室リスクが高まる・トラブルにすぐに対応できない |
新築か中古か?
新築
メリット | きれい・高めの家賃で入居者を募集できる・糖分は修繕不要 |
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デメリット | 収益性が低い |
中古
メリット | 収益性が高い |
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デメリット | きれいではない・修繕費が必要・高い家賃では入居者を募集できない |
投資用不動産の種類
投資用不動産にはいくつかの種類があります。
- 1棟売マンション
- 1棟売オフィスビル
- 1棟雑居ビル
- 区分所有マンション(分譲マンション)
- 1棟売アパート
- 1戸建て
- REIT
REITは金額的に購入しやすいのが魅力的です。
マーケットにおいて簡単に売買もできます。
流動性もありますので現金化しやすいというメリットがあります。
通常の数千万円〜の資金を必要としなくても、「大家さんの気分」を味わえるのはいいですよね。
デメリットとしては、REITの場合は分配金を得るため銀行から借り入れをすることはできません。
証券の売買となりますから「信用取引」に自己資金の数倍の証券を購入することもできますが、信用取引では分配金は得られないのです。
また、REIT全体の値動きが激しいことに注意が必要です。
実物不動産より、マーケットの動きに影響されます。
その他
- 駐車場(コインパーキング)
- ホテル(ラブホテル)
駐車場は他の収益不動産とは違い、借地借家法の適応を受けないところにポイントがあります。
よって借主保護の規定も適用されませんので、貸主から自由に契約解除することができます。
手っ取り早く、一時的に不動産を運用する手段としてもってこいでしょう。
月極やコインパーキングが主流です。
どちらも収益性は低いですが、なんといってもラクです。
コインパーキングなどは専門会社に土地を貸すだけで、後は全部、造成工事から機械・設備の設置、運営までしてくれるので、まさに「不労所得」といえるでしょう。
不労所得の醍醐味を味わいたならコインパーキングがオススメです。
出口戦略 〜不動産に付加価値を〜
家賃収入は当然に魅力的ではあるが、不動産投資の醍醐味はなんといっても売却益(キャピタルゲイン)を狙っていけるということではないでしょうか。
株式投資などと違い、不動産は流通するごとにコスト(不動産取得税・登録免許税など)がそれなりにかかります。個人で売却したとき、利益が出れば不動産譲渡所得税がかかります。
このようなコストを考えると、単純に短い期間で不動産を売買していれば儲かるというわけでもないのです。
キャピタルゲイン(不動産売却益)を狙っていくなら法人で
個人で不動産を売却した場合、一般の所得税とは分離して課税されます。
その不動産を所有していた期間に応じて税率が異なりますので注意しましょう。
譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える不動産を売った場合【長期譲渡所得】
売却益に対して、所得税15%+住民税5%
譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の不動産を売った場合【短期譲渡所得】
売却益に対して、所得税30%+住民税9%
法人に対してはこのような分離課税もないため、他の事業の収支と合わせて利益計算をできます。
売却益は、買った時に決まる
売却益を狙っていきたい!
そのためには、購入する前から将来売却することを想定することです。
土地に関しては、相場を感じ取らなければなりませんが、建物の場合は、何かしら手を加えることで付加価値をつけられるかどうかある程度メドを立てることができます。
- リノベーション
- 解体更地(古い家がある場合)
- 店舗用建物で商売をする
なかでも、リノベーションをして付加価値をつけるのが一番わかりやすいですね。
「購入価格」+「リノベーション費用」よりも高い金額で売却することを目指します。
- 和式トイレ 洋式トイレ
- 玄関・エントランスのイメージ変更
- 外壁のイメージ変更
- 照明、内装、装飾など改造
- 壁クロス、天井ボード、照明器具の取り換え
- 建物名称の変更
買った瞬間から「売れる物件」にしておく
買った瞬間から「売れる物件」にしておくということを意識することも重要です。
建物の修繕、修理は定期的に計画的に行いましょう。
- 外壁の塗装
- 屋上防水シート
- 鉄部塗装
- 給排水管
給排水管などの水回りは、しばらく空室だったりすると高くついたりします。
他の大規模修繕は、その設備利用状況にもよりますが10年から15年ごとに行う必要があります。
このことかわわかるように、新築以外の物件(中古物件)の場合、どのくらい計画的に大規模修繕をしてきているのか、こまめに修繕、修理を行ってきているのかが重要になってきます。
キチンを手が加えられている物件は、リフォーム代を抑えることができ、結果として売却(出口)の時に高く売れる可能性が高いということになります。
そうはいっても新築以外の物件(中古物件)のもっているポテンシャルを見抜くのは大変難しいものです。
見るべきポイントは、
- 建物の構造
- 外壁材の種類
- 水道設備
鉄筋コンクリート造(RC造)→鉄骨コンクリート造(鉄骨ALC造)→木造 (クオリティの高い順)
吹き付け塗装よりも外壁材のほうがお金はかかっている。
給水用ポンプメーカーをチェック
建物のなかを内覧できるようでしたら、よく知られている方法としてボールを床に置いて転がっていかないかをチェックしましょう。
これで建物の傾きがわかります。
建物の外側から見るべきポイントは、
- 建物基礎部分
- 鉄部部分
ひび割れ(クラック)がないかどうか
錆びていないかどうか
外側から外観を見ることで、その物件はキチンと手を加えられていたか(修繕されてきたか)を確認できます。
問題が起きてから、修繕を行うのではなく、問題の起こる前にあらかじめ適切な処理を施しておくこと、それが重要です。
なにも故障する前から適切な処理を施していなければ、中古物件を安く買えたけれども、あちこち壊れ始め、かえって高くついた!ということになる可能性もあります。
修繕周期例として
外部塗装工事 | 12〜18年 |
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鉄部改修・塗装工事 | 4〜6年 |
屋根防水改修工事 (露出しているもの) |
12年〜 |
外壁塗装工事 | 12〜18年 |
機械設備(給水設備、消火設備、雑排水設備、汚水設備、ガス設備)工事 | 18〜36年 |
電気設備(電灯、電力幹線、盤取替え)工事 | 24〜32年 |
間取りが良いと、入居者を募集しやすくなり、売却する際に高く売るためのポイントになります。
見るべきポイントは、
- 間口
- 天井
- 専有面積
- バルコニー
- 水回り
- 窓
- 収納
間口が広いほうが、広く感じるもの
2.4mくらいあるといい
昔のような基準ではなく(10〜20年前はワンルーム16〜18㎡くらい)、広ければ広いほうがいい
あればグレード感が出る
ユニットバスとトイレが分離されていること
大きさは快適さに影響する
収納スペースは多ければ多いほど良い