相続した土地の教科書 ── 確かめる順序と、頼む先
登記は結論であって、
出発点ではない。
期限が決まったことで、登記から入る方が増えました。しかしどの土地があるのか、その境界は決まっているのか。ここを飛ばすと、あとで測量と分筆をやり直すことになります。確かめる順に並べ直しました。相続人ご本人に向けて書いています。
誰の仕事か、を先に。
相続した土地の手続きは、四つの資格に分かれています。どこに何を頼むのかを最初に整理しておくと、二重に費用がかかることを避けられます。この教科書は、そのうち土地家屋調査士と行政書士の領分を厚く書いています。
| 司法書士 | 相続登記の申請。行政書士は書けません |
|---|---|
| 税理士 | 相続税、売却したときの譲渡所得。要件と金額は税理士に確かめる |
| 土地家屋調査士 | 境界確定測量、分筆、地積更正、建物の表題登記と滅失登記、現地の調査 |
| 行政書士 | 戸籍の収集、法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、農地と森林の届出 |
相続した土地の体系。
上から順に読めば、相続が起きた直後から、分け方を決めて、手放すまでが一続きになります。各項目から記事にリンクしています。近い内容の記事には「参考」を付けました。実務者向けに書いたものが混じっているので、目印にしてください。年度で動く数値と、自治体ごとに違う運用は載せていません。確かめるべき窓口を示すにとどめています。
まず、何があるかを確かめる登記より先に、対象を確定させる
期限は決まっていますが、順序を飛ばすと後戻りします。どの土地があるのか、誰が相続人なのか。ここが出発点です。
その土地の素性を確かめる境界、面積、接道
売る・分ける・手放すのどれを選ぶにしても、ここが前提になります。土地家屋調査士の領分で、このシリーズの中心です。
接道
建て替えられるかどうか。私道は、通れることと持分があることが別。
分け方を決める共有にする前に
共有は公平に見えて、決めることの先送りです。土地そのものを分けるなら、分筆できるかを先に確かめます。
地目ごとの手続き農地と山林には、別の届出がある
田・畑・山林が含まれていれば、相続登記とは別の期限が走ります。登記の三年より先に来るものがあります。
農地
農業委員会への届出。そのあとの、自分で耕す・貸す・売る・転用するの分岐。
山林・原野
森林法の届出は九十日。境界を知る人が残っているうちにやっておくこと。
手放す・たたむ順序を逆にすると、費用が無駄になる
使う予定のない土地をどうするか。国に引き取ってもらう制度は最後の手段で、最初の選択肢ではありません。
国に引き取ってもらう
入口で外れる土地と、審査で落ちる土地。却下の理由の上位は境界。
空き家と敷地
壊すと税の扱いが変わる。壊したら一か月以内に滅失登記。壊す前に決めること。
開発許可の申請、
お引き受けしています。
熊本県・熊本市の開発許可申請、農地転用、農振除外。
行政書士 村上事務所(熊本市東区)が承っています。