全総の70年 ── 「開発」から「形成」へ、そして「強靱化」へ

地央 まちづくりの見取り図 国土計画

全総の70年 ── 「開発」から「形成」へ
成長・成熟・強靱化。国土計画は三度、前提を書き換えた

全総の70年 ── 「開発」から「形成」へ、そして「強靱化」へ

出典:国土交通省・内閣官房の公表資料より構成

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この記事の要点

  • 全総は五度つくられたが、「量的拡大」というモデルは最後まで変わらなかった
  • 所得の地域格差は縮んだ。それでも東京への集中は解けなかったという結果が残った
  • 2005年に「開発」から「形成」へ、そして2013年以降は「強靱化」という第三の軸が加わった

「全総」という言葉を、実務で使う場面はほとんどありません。けれども、いま目の前にある市街化調整区域の線も、工業団地の空き区画も、地方都市の駅前にある不釣り合いに広い道路も、もとをたどればこの計画にたどり着きます。

この記事は、1962年から現在までの国土計画を、成長・成熟・強靱化という三つの幕として読み直したものです。

はじまりは、所得倍増計画への「答え」だった

はじまりは、所得倍増計画への「答え」だった
1960年 国民所得倍増計画太平洋ベルト地帯構想。工業開発は京浜・阪神などの特定地域に集中する想定だった
批判:大都市の過密と、地方からの若者流出「太平洋ベルト地帯構想」は、その他の地域から強い反発を受けた
1962年 第一次全国総合開発計画(一全総)
基本目標地域間の
均衡ある発展
所得倍増計画への
アンチテーゼとしての側面をもつ。
「均衡」という言葉は、
ここから半世紀ついて回ることになる
図1 はじまりは所得倍増計画への「答え」タップで拡大

1960年の国民所得倍増計画には、太平洋ベルト地帯構想という工業立地の考え方が含まれていました。京浜から阪神にかけての帯に工業を集めるのが、経済合理性の面ではもっとも効率がよい。そういう発想です。

これに対し、帯の外側にある地域から強い反発が出ました。大都市はすでに過密で、地方からは若者が流出している。このままでは差が開く一方だ、と。

1962年の第一次全国総合開発計画が掲げた基本目標が「地域間の均衡ある発展」だったのは、この経緯によります。それは所得倍増計画へのアンチテーゼでもありました。

この「均衡」という言葉は、以後半世紀にわたって国土計画についてまわります。掲げ続けたということは、達成されなかったということでもあります。

拠点開発方式 ── 地方に「成長の極」をつくる

拠点開発方式 ── 地方に「成長の極」をつくる
開発効果の高い地域に重点投資を行い、産業と雇用を創出する。
その波及効果で、周辺地域全体を潤す。
新産業都市建設促進法(1962年)全国15地域を指定
工業整備特別地域整備促進法(1964年)6地域を指定
指定をめぐっては「史上最大の陳情合戦」と呼ばれるほどの政治的競争が起きた。
図2 拠点開発方式 ── 地方に「成長の極」をタップで拡大

掲げた目標を実現する手段が、拠点開発方式でした。

開発効果の高い地域に投資を集中させ、そこに産業と雇用を生む。その拠点が周辺を潤していく。いわゆるトリクルダウンの発想です。

制度として現れたのが、1962年の新産業都市建設促進法(全国15地域)と、1964年の工業整備特別地域整備促進法(6地域)でした。

ただし、この指定をめぐっては「史上最大の陳情合戦」と呼ばれるほどの政治的競争が起きました。効率のための政策が、補助金配分のための政策へ変質していく。この経緯が地方都市の土地利用に何を残したかは、別記事で個別の事例とあわせて扱います。

五度の全総 ── 目標は変わっても、基調は変わらなかった

五度の全総 ── 目標は変わっても、基調は「開発」だった
1962 → 1998。時代ごとに言葉は変わったが、量的拡大というモデルそのものは最後まで残った。
一全総
閣議決定 1962(昭37)
池田 勇人 内閣

背景高度経済成長への移行
人口・産業の大都市集中
所得倍増計画
基本目標地域間の均衡ある発展開発方式拠点開発方式

新全総
閣議決定 1969(昭44)
佐藤 栄作 内閣

背景高度成長経済
情報化・国際化
技術革新の進展
基本目標豊かな環境の創造開発方式大規模開発プロジェクト構想

三全総
閣議決定 1977(昭52)
福田 赳夫 内閣

背景安定成長経済
地方分散の兆し
国土資源の有限性
基本目標人間居住の総合的環境の整備開発方式定住構想

四全総
閣議決定 1987(昭62)
中曽根 康弘 内閣

背景東京一極集中
地方の雇用問題の深刻化
本格的国際化
基本目標多極分散型国土の構築開発方式交流ネットワーク構想

五全総
閣議決定 1998(平10)
橋本 龍太郎 内閣

背景地球時代・大競争
人口減少・高齢化
高度情報化
基本目標多軸型国土構造形成の基礎づくり開発方式参加と連携

図3 五度の全総 ── 目標と開発方式の一覧タップで拡大

全総は、1962年から1998年までに五回策定されました。

一全総の拠点開発方式、新全総の大規模開発プロジェクト構想、三全総の定住構想、四全総の交流ネットワーク構想、五全総の参加と連携。掲げる言葉は時代ごとに変わっています。

それでも根っこにあるモデルは共通していました。人口と経済が増えることを前提に、つくることで課題を解く。五全総が「参加と連携」という、開発とは異なる語彙にたどり着いたころには、すでに人口減少が視野に入っていました。

成果と歪み ── 格差は縮み、集中は残った

成果と歪み ── 格差は縮んだが、集中は解けなかった
成果
地域間の所得格差は
着実に縮小した
都道府県別1人当たり所得のばらつき
(標準偏差/平均)は
0.27(1970年)から
0.16(2000年)へ低下
歪み
東京への一極集中は
解消されなかった
1985年以降、所得格差の縮小と
三大都市圏への人口流入の動きが乖離する。
背景にあったのは
ブロック内格差の拡大
東京への一極集中
図4 成果と歪み ── 格差は縮み、集中は残ったタップで拡大

成果はありました。都道府県別の一人当たり所得のばらつきは、1970年から2000年にかけて明確に縮小しています。地方に工場が立地し、雇用が生まれたことは事実です。

一方で、三大都市圏への人口流入は止まりませんでした。とくに1985年を境に、所得格差の縮小と人口移動の動きが乖離していきます。所得の面では追いついたのに、人は出ていく。

この乖離が示しているのは、人が動く理由は所得だけではないということです。仕事の種類、進学先、暮らしの選択肢。そこを見ないまま「均衡ある発展」を所得の数字で測っていたところに、この時代の限界がありました。

21世紀に入り、前提そのものが変わった

21世紀に入り、前提そのものが三つ変わった
人口減少の加速2005年を境に総人口が減少に転じ、地方の社会基盤の維持が困難になった
巨大災害リスクの切迫東日本大震災の教訓、首都直下地震・南海トラフ巨大地震が現実味を帯びている
グローバルな地殻変動アジア経済圏の台頭、エネルギー・食料の海外依存リスク
これらの課題は、従来の「開発」アプローチの延長線上では対応できない。
図5 21世紀に変わった三つの前提タップで拡大

2005年を境に、日本の総人口は減少に転じます。同じころ、巨大災害のリスクが具体的な数字で語られるようになり、東アジアの経済構造も大きく動きました。

ここで問題になったのは、個々の課題の重さよりも、「つくれば解決する」という前提そのものが成り立たなくなったことです。

2005年 ── 「開発」から「形成」へ

2005年、「国土総合開発法」は「国土形成計画法」になった
旧:国土総合開発法
時代背景 高度成長期、量的拡大志向
アプローチ トップダウン、国主導
主眼 経済効率性、インフラ整備、工業分散
キーワード 拠点開発、大規模プロジェクト
新:国土形成計画法
時代背景 成熟社会、人口減少、質的向上志向
アプローチ パートナーシップ、多様な主体の参画
主眼 持続可能性、生活の質、地域の自律性
キーワード 参加と連携、新たな公
改革の要点:① 量的拡大から質的向上へ ② 計画提案制度による参画 ③ 広域地方計画の創設
図6 2005年 ── 国土形成計画法への転換タップで拡大

2005年、国土総合開発法は抜本的に改正され、国土形成計画法になりました。名前から「開発」が消えた改正です。

変わったのは三点です。量的拡大から質的向上へ。トップダウンから多様な主体の参画へ。そして国主導から、国と地方のパートナーシップへ。

実務の側から見て意味が大きいのは三点目です。計画提案制度が入り、広域地方計画が創設された。計画づくりの席に地方が着いたのがこの改正でした。

計画は二層になった

計画は二層になった ── 全国計画と広域地方計画
全国計画国土の形成に関する基本的な方針。国が定める
広域地方計画全国8ブロックごとに、国と地方が協議会をつくって共同で策定する
「国が決めて地方が従う」から、「国と地方が同じ机で決める」へ。ここが2005年改正のいちばんの変化である。
図7 二層になった計画体系タップで拡大

国土形成計画は、全国計画広域地方計画の二層構成です。

全国計画は国が定める基本方針。広域地方計画は全国8ブロックごとに、国と地方が協議会をつくって共同で策定します。

「国が決めて地方が従う」から「国と地方が同じ机で決める」へ。運用の実態には濃淡がありますが、建て付けとしてはここが2005年改正のいちばんの変化でした。

第二次計画(2015)── コンパクト+ネットワーク

第二次計画(2015)── コンパクト+ネットワーク
対流促進型国土多様な個性をもつ地域が
相互に連携して生じる、
ヒト・モノ・カネ・情報の
双方向の活発な動き(対流)こそが
日本の活力の源泉である
コンパクト+ネットワーク医療・福祉・商業等の機能を
コンパクトに集約し、
交通・情報通信の
ネットワークで結ぶ。
人口減少下でも生活の質を維持する
図8 第二次計画(2015)コンパクト+ネットワークタップで拡大

第二次国土形成計画のキーワードは「対流促進型国土」でした。

個性の異なる地域が連携することで生まれる、ヒト・モノ・カネ・情報の双方向の動き。それを「対流」と呼び、日本の活力の源泉として位置づけた。それを支える国土構造がコンパクト+ネットワークです。

機能を集約し、集約した拠点を交通と情報通信で結ぶ。都市計画の側では、この考え方が立地適正化計画として具体化していきました。

第三次計画(2023)── シームレスな拠点連結型国土

第三次計画(2023)── シームレスな拠点連結型国土
目指す国土の姿:「新時代に地域力をつなぐ国土」
広域レベル人口や諸機能を分散させ、東京一極集中の是正を図る
重層的な生活・経済圏さまざまなレベルで、重なり合う圏域を形成する
デジタルとリアルの融合圏内の拠点をネットワーク化し、行政界を越えたサービスを展開する
図9 第三次計画(2023)シームレスな拠点連結型国土タップで拡大

2023年7月に閣議決定された第三次計画が目指す国土の姿は、「新時代に地域力をつなぐ国土」です。

広域レベルでは人口や諸機能を分散させ、東京一極集中の是正を図る。その内側にさまざまなレベルの生活・経済圏を重ね、デジタルとリアルを融合させて行政界を越えたサービスを展開する。第二次計画のコンパクト+ネットワークを、デジタルの側から強化した形です。

この計画の中身と、そこに向けられている批判は、人口減少下の国土マネジメントで詳しく扱っています。

もうひとつの危機 ── 社会資本が一斉に寿命を迎える

もうひとつの危機 ── 社会資本が一斉に寿命を迎える
建設後50年以上が経過する施設の割合
現在
約30%
2040年
約75%
現在
約22%
2040年
約53%
道路橋
トンネル

2012年の中央自動車道・笹子トンネル天井板崩落事故は、インフラ老朽化の深刻さを社会に突きつけた。
事後保全から予防保全へ切り替えれば、維持管理・更新費は長期的に約半分に抑えられると試算されている。
図10 社会資本が一斉に寿命を迎えるタップで拡大

高度成長期に集中的に整備されたインフラが、いま一斉に更新期を迎えています。

建設後50年以上が経過する施設の割合は、道路橋で約30%から2040年ごろには約75%へ、トンネルでも約22%から約53%へ増える見通しです。

2012年の中央自動車道・笹子トンネル天井板崩落事故は、この問題の深刻さを社会に突きつけました。不具合が出てから直す事後保全から、計画的に手を入れる予防保全へ切り替えれば、維持管理・更新費は長期的に約半分に抑えられると試算されています。

老朽化率の見通しと更新費の試算は、対象施設の範囲と推計の前提によって数字が変わります。資料に使う際は国土交通省のインフラ長寿命化計画・白書で最新値をご確認ください。

「想定外」が毎年やってくる

自然災害は「想定外」の規模で頻発している
雨の降り方が変わった
3時間降水量150mm以上の
年間発生回数(全国)
約19回
約34回
1976〜85年
平均
2013〜22年
平均
約1.8倍に増加
土砂災害が増えた
全国の土砂災害
発生件数(年平均)
1,099件
1,446件
1982〜2022年
平均
2013〜22年
平均
約1.3倍に増加
被害額が過去最大に
全国の水害被害額
(1年間の合計)
1.2兆円
2.2兆円
平成30年
(2018)
令和元年
(2019)
統計開始以来 最大
毎年のように、記録を更新する規模の災害が起きている
出典:気象庁「大雨の発生回数の長期変化」、国土交通省「土砂災害発生件数」「水害統計調査」
切迫する巨大地震南海トラフ巨大地震
推計死者数 最大約29.8万人
直接被害 約169.5兆円

首都直下地震
推計死者数 最大約2.3万人
直接被害 約47.4兆円

※ 政府の被害想定より。想定は改定されます
図11 「想定外」の規模で頻発する自然災害タップで拡大

平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風。毎年のように、全国のどこかで甚大な被害が出ています。

感覚ではなく、数字にも出ています。3時間降水量150mm以上の年間発生回数は、1976〜85年の平均約19回に対し、2013〜22年の平均は約34回。およそ1.8倍です。土砂災害の発生件数も、統計を取り始めた1982年以降の平均1,099件に対して、直近10年の平均は1,446件。そして令和元年の水害被害額は約2兆1,800億円で、1961年の統計開始以来、最大を記録しました。

加えて、南海トラフ巨大地震と首都直下地震が切迫している。政府の被害想定では、推計死者数も直接被害額も、国家財政の規模を超える数字が並びます。

三幕目 ── 「国土強靱化」という考え方

三幕目 ── 「国土強靱化」という考え方
2013年、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が成立。
いかなる自然災害が発生しようとも、「強さ」と「しなやかさ」をもった
安全・安心な国土・地域・経済社会を平時から構築すること
人命の保護が
最大限図られること
国家・社会の重要な機能が
致命的な障害を受けず
維持されること
国民の財産及び公共施設に
係る被害の最小化
迅速な復旧・復興
ポイントは「壊れない」ではなく「壊れても早く戻れる」。
強さ(ショック耐性)と、しなやかさ(回復力)を分けて考えるところに、この概念の特徴がある。
図12 国土強靱化という考え方タップで拡大

2013年、国土強靱化基本法が成立しました。

定義は「いかなる自然災害が発生しようとも、強さとしなやかさをもった安全・安心な国土・地域・経済社会を平時から構築すること」。

この概念のポイントは、「壊れない」ではなく「壊れても早く戻れる」を目標に据えたことです。ショックへの耐性(強さ)と、回復する力(しなやかさ)を分けて考える。完全な防御が不可能であることを前提にしたところに、それまでの防災との違いがあります。

事前防災は「投資」として説明された

事後対応から事前防災へ ── 数字で見ると
河川事業 平成30年7月豪雨(高梁川水系)
事前対策費
約480億円
被災後の費用・被害額
約2,695億円
およそ 5.6 倍
巨大地震対策 南海トラフ地震対策
事前対策費
58兆円以上
発災時の
財政効果
約161兆円
費用対効果 約3〜8倍
税収増と復興費の圧縮による効果。
※ 内閣官房の試算です。前提の置き方で数字は変わります
図13 事前防災の費用対効果タップで拡大

強靱化を政策として通すために持ち出されたのが、費用対効果の議論でした。

平成30年7月豪雨で被災した高梁川水系では、事前対策費が約480億円だったのに対し、被災後にかかった費用と被害額は約2,695億円。およそ5.6倍です。

南海トラフ地震対策についても、事前対策への投資に対して約3〜8倍の財政効果があると試算されています。税収の維持と、復興費の圧縮による効果です。

これらは内閣官房および国土交通省の試算であり、前提の置き方によって数字は大きく変わります。公的な場で引用する際は、必ず一次資料の前提条件とあわせてご確認ください。

時限の対策から、恒久の枠組みへ

時限の対策から、恒久の枠組みへ
3か年緊急対策平成30〜令和2年度
5か年加速化対策令和3〜7年度
事業規模 約15兆円
実施中期計画改正基本法に基づく
恒久的枠組み
2023年6月の国土強靱化基本法改正により「国土強靱化実施中期計画」の策定が法的に位置づけられた。
強靱化は、時限の予算措置から、法律に基づき継続して実施される政府の責務になった。
※ 事業規模・期間は閣議決定および法改正の内容によります。最新の計画期間は内閣官房の公表資料でご確認ください
図14 時限の対策から恒久の枠組みへタップで拡大

強靱化の予算措置は、当初は時限の対策として組まれていました。平成30年からの3か年緊急対策、続く5か年加速化対策(令和3〜7年度、事業規模約15兆円)。

2023年6月の国土強靱化基本法改正で、「国土強靱化実施中期計画」の策定が法的に位置づけられました。これにより、強靱化は時限の予算措置から、法律に基づいて継続的に実施される政府の責務になりました。

計画期間と事業規模は閣議決定の内容によります。現在の実施中期計画の期間・規模は内閣官房 国土強靱化推進室の公表資料でご確認ください。

まとめ ── 三つの時代を歩いてきた

日本の国土計画は、三つの時代を歩んできた
国土計画は、その国が何を恐れ、何を望んでいるかを映す鏡でもある。
【第1幕】成長の時代計画:全国総合開発計画(全総)
目的:量的拡大と地域間の均衡ある発展
【第2幕】成熟の時代計画:国土形成計画
目的:質的向上と持続可能性
【第3幕】強靱化の時代計画:国土強靱化基本計画
目的:危機下での生存と国家機能の維持
CHIOU 株式会社地央
図15 三つの時代 ── 成長・成熟・強靱化タップで拡大

ここまでを一枚に置き直すと、日本の国土計画は三幕構成になります。

第1幕・成長の時代。全総が量的拡大と地域間の均衡ある発展を目指した時期。
第2幕・成熟の時代。国土形成計画が質的向上と持続可能性へ舵を切った時期。
第3幕・強靱化の時代。国土強靱化基本計画が、危機下での生存と国家機能の維持を掲げる現在。

三つは置き換わったのではなく、積み重なっています。成長期につくったものを維持し、成熟期に得た知恵を運用し、そのうえで強靱化の備えをする。実務でぶつかる面倒さの多くは、この三層が同時にかかってくることから来ています。

この記事を実務に引き寄せると

  • 対象地が新産業都市・工特地域の指定を受けた地域かどうか。受けていれば、当時の線引きが今も効いている可能性がある
  • 広域地方計画に、対象地の属するブロックの方針がどう書かれているか
  • 国土強靱化地域計画が策定されているか。補助制度の要件になっている場合がある
  • インフラ長寿命化計画で、対象施設が予防保全の対象に入っているか

本記事は、国土交通省および内閣官房の公表資料をもとに構成しています。計画期間、事業規模、被害想定、老朽化率の見通しは、改定によって変わります。実際の検討にあたっては、必ず一次資料で最新の数値をご確認ください。

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